地域・文化:アッカド
 「巨大な日」「巨大な嵐の獣」。
 シュメール語におけるウガル。
 ウガルルは、宮殿のレリーフに彫刻されたり家を建てるときに人形が埋められるなどして、これらの建造物を悪から守る守護精霊だとされた。創世叙事詩『エヌマ・エリシュ』ではティアマトの11の怪物の一つとされている。
 その姿は英語でライオン・デーモンと呼ばれるもので、頭はライオン、上方に伸びたロバの耳があり、脚は鳥のものだとされる。片手には短剣を持ち腕をあげ、もう片手に槌鉾を持つ。腰巻をつけていることもあるが、全裸でライオンの尾を見せていることもある。「神々定型文書」(Göttertypentext)によれば、ウガルルの頭と耳はライオンで、手は人間、右手にはムルッダを持ち、左手にはクルムー(手斧)を持つとされた。
 ウガルルの図像は古バビロニア時代からセレウコス時代まで見られるが、それがウガルルだとはっきり同定できるのは新アッシリアと新バビロニア時代以降らしい。