地域・文化:アルゼンチン・アラウカノ
 アラウカノのプエンチェ人の伝承によれば、ガリチュは悪の存在であり、ウェクフに相当する。しかしレーマン=ニーチェの行なったフィールドワークによればガリチュという言葉はプエンチェ人同士では使われず、スペイン語話者と話すときに使われるらしい。
 19世紀前半の民族誌によるとガリチュはアラケンとも呼ばれ、病気や死をもたらす存在であるとされた。18世紀中葉においてはバリチュと記録されており、それらの王子はエレルであるとされた。
 テウェルチェ人のあいだでも悪霊であるとされた。
 テウェルチェ宗教においては、その多くが悪霊(ガリチュを含めた)を鎮め、動かさないようにすることに傾けられていた。しかしながら、そのうちの一部はテウェルチェの守人としても扱われたらしい。たとえばレア鳥の肉とリキュールの最初の1ボトルがワリチュに捧げられていたという。
 ジョン・クーパーによればガリチュはテウェルチェ語でもなくアラウカノ語でもないらしい。プエルチェ語起源説がある(資料/436:168)。