サラターン

Saraṭān, Zaratán
سرطان

地域・文化:アラビア


 ザラタン。
 島のように巨大な海亀のこと。アル=ジャーヒズは『動物の書』のなかで次のように述べている。
 私は自分の目でサラターンを見たものをひとりも知らない。しかし次のように主張する船乗りたちはいる。彼らが海の小島に沿って進んでいくと、木々の生い茂る谷間や洞穴が見えたので、上陸して大きな焚火をした[この島は、実はサラターンだった]。炎の熱がサラターンの背骨に達すると、この生き物は船乗りたちを乗せたまま、生えている草木もろとも海中へと沈みはじめた。ついには、泳いで逃げることのできた者だけが助かった。
 アル=ジャーヒズ自身はこの話を信じていない*1

 なお、普通サラターン(Saraṭān)といえばアラビア語で「かに」か「巨蟹宮」のことである。

関連項目


参考資料 - 資料/197:; 資料/584:241


*1 資料/197:220-221; 資料/1003:267.

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