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西セム諸族/シャリート
の編集 - Encyclopædia of Monsters / Fabelwesen
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*シャリート [#nb7fad18] CENTER:&size(25){šalīṭu&br;(šlyṭ)}; 地域・文化:ウガリト ---- 「暴君」、「力強きもの」(([[資料/495]]:822.))。~ 海の怪物[[../トゥンナーン]]の形容辞。~ 「七つの首あるシャリート」という文に現れる。~ シャリートという語の意味は、ヘブライ語の'''šlyṭ'''「力のある」、「支配者」(([[資料/496]]:1524.))など他のセム諸語からの類推&神に敵対して暴れまわる海の怪物という性質から「暴君」「力強きもの」あたりが妥当ではないかと考えられている。 別の説としては、「とぐろ閉じるもの」という意味があるのではないかという説がある。これはトゥンナーンが蛇型の怪物であるという推測によるものだろう。それによれば原形は*'''šly/wṭ'''で、アッカド語の'''lâṭu'''(([[資料/CAD]]:L.113によれば'''lâṭu'''は「制限する」「抑制する」「制御する」という意味があるらしい。蛇がとぐろを巻くイメージは、「抑制する」と似ていなくもない。))やヘブライ語の'''lûṭ'''「包む」などと語源的に関連しているのだという(([[資料/495]]:822, [[資料/498]]:274.))。また、もし語根が'''šlṭ'''だとすればアッカド語の'''šalāṭu'''((しかし[[資料/CAD]]:Š1.238には「制御する」「支配する」といった意味しか載っていない。アッカド語には'''salātu'''という語があるが、こちらは「切り裂く」という意味があるので([[[資料/CAD]]:S.94)、それと混同してしまっているのかもしれない。))「長く切断する」と一致し、「怪物の首が七つの頭に"分裂する"ことへの言及になる」としている(([[資料/498]]:274-75. [[資料/498]]は結局この文をthe ''hydra'' wuth seven headsと英語訳しており、シャリートという語自体が怪物をさすのだとしている。この論文は1977年にWatsonが執筆したものだが、2004年にWatsonが英訳編纂して出版した[[資料/495]]では上記のように本文冒頭の定義を出しているところから見て、あまり受け入れられなかったようだ。前掲CADの出版も1989年で、研究が進んでアッカド語との対応もなくなってしまっというのもあると思われる。))。 **関連項目 [#c2b82161] - -[[キーワード/ドラゴン]] ---- 参考資料 - [[資料/
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*シャリート [#nb7fad18] CENTER:&size(25){šalīṭu&br;(šlyṭ)}; 地域・文化:ウガリト ---- 「暴君」、「力強きもの」(([[資料/495]]:822.))。~ 海の怪物[[../トゥンナーン]]の形容辞。~ 「七つの首あるシャリート」という文に現れる。~ シャリートという語の意味は、ヘブライ語の'''šlyṭ'''「力のある」、「支配者」(([[資料/496]]:1524.))など他のセム諸語からの類推&神に敵対して暴れまわる海の怪物という性質から「暴君」「力強きもの」あたりが妥当ではないかと考えられている。 別の説としては、「とぐろ閉じるもの」という意味があるのではないかという説がある。これはトゥンナーンが蛇型の怪物であるという推測によるものだろう。それによれば原形は*'''šly/wṭ'''で、アッカド語の'''lâṭu'''(([[資料/CAD]]:L.113によれば'''lâṭu'''は「制限する」「抑制する」「制御する」という意味があるらしい。蛇がとぐろを巻くイメージは、「抑制する」と似ていなくもない。))やヘブライ語の'''lûṭ'''「包む」などと語源的に関連しているのだという(([[資料/495]]:822, [[資料/498]]:274.))。また、もし語根が'''šlṭ'''だとすればアッカド語の'''šalāṭu'''((しかし[[資料/CAD]]:Š1.238には「制御する」「支配する」といった意味しか載っていない。アッカド語には'''salātu'''という語があるが、こちらは「切り裂く」という意味があるので([[[資料/CAD]]:S.94)、それと混同してしまっているのかもしれない。))「長く切断する」と一致し、「怪物の首が七つの頭に"分裂する"ことへの言及になる」としている(([[資料/498]]:274-75. [[資料/498]]は結局この文をthe ''hydra'' wuth seven headsと英語訳しており、シャリートという語自体が怪物をさすのだとしている。この論文は1977年にWatsonが執筆したものだが、2004年にWatsonが英訳編纂して出版した[[資料/495]]では上記のように本文冒頭の定義を出しているところから見て、あまり受け入れられなかったようだ。前掲CADの出版も1989年で、研究が進んでアッカド語との対応もなくなってしまっというのもあると思われる。))。 **関連項目 [#c2b82161] - -[[キーワード/ドラゴン]] ---- 参考資料 - [[資料/
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