ガンダルブ†
Gandarb, Gandarw, Gandarep
地域・文化:ゾロアスター教
別名:ガンダルウ、ガンダレプ(たぶん古い転写)。
アヴェスターにおける../ガンダルワのこと。
パフラヴィー語の『リヴァーヤト』には、アヴェスターにはない詳細なガンダルブについての物語がある。場面は、ザラトゥーシュト(アヴェスター語のザラスシュトラ)がオフルマズド(アフラ・マズダー)に「聖なる火を守るのには誰が適任か」と聞かれたとき、ザラトゥーシュトが「キルサースプ(Kirsāsp)が適任です」と返答したところ。そこで、オフルマズドはキルサースプの魂を召喚した。しかしキルサースプはオフルマズドの炎を消したという前科を持っていた。そこで彼は魔竜アジョ・スローウバル(../アジ・スルワラ)を倒したことを主張し、嘆願する。それでもオフルマズドは許さなかったので、次にガンダルブとの戦闘の話を始めた。
ガンダルブは、12の地域を一呑みするほど巨大な怪物だった。その歯には無数の死者たちが突き刺さっていた。ガンダルブはキルサースプのひげをつかんだが、彼はガンダルブを海の外へ引きずり出そうとした。戦いは9昼9夜、海で続けられた。戦うにしたがって、キルサースプはガンダルブよりも強大になっていった。
キルサースプはガンダルブの足をつかみ、その皮を頭のところまで剥ぎ取った。そしてさらに、その皮でこの怪物の手足を縛った。キルサースプはガンダルブを引きずって海の外へと連れ出し、アークルーラグ(Āxrūrag)のところにまで運んだ。しかし彼はキルサースプの15頭の馬を殺し、そして食った。この英雄は密集したやぶの中に落とされ、ガンダルブは彼の友人であるアークルーラグ、彼の妻、彼の父、彼の乳母を連れ去った。それでも、彼は最終的に海でガンダルブを倒したのであった。
キルサースプは、もし自分がガンダルブを倒さなければ、アハルマン(../アンラ・マンユ)は被造物をすべて支配しただろう、と言って締めくくった。
また、パフラヴィー語の『メーノーグ・イー・フラド』27章50節によれば、水にすむ../デーウであるガンダルウ(Gandarw)を倒したのはサームであるとされている*1。
関連項目†
参考資料 - 資料/325; 資料/349:; 資料/452:297