アパオシャ

Apaoša, Apaoš, Apaosh, Apaosa, Apaos

地域・文化:ゾロアスター教


 パフラヴィー語:アポーシュ。
 シリウス星であり雨の神であるティシュトリヤと戦った悪魔。
 ティシュトリヤにささげられた賛歌『ティシュタル・ヤシュト』(ゾロアスター教の経典『アヴェスター』のなかの一つ)には、その戦いの事情が詳しく説明されている。ティシュトリヤが馬に姿を変えてウォルカシャ海に降り立ったとき、アパオシャも馬の姿でこの神に襲いかかった。ティシュトリヤは「美しく金の耳を持ち、金の馬勒をつけた白い馬の姿」だったが、対照的にアパオシャは、頭に毛が生えておらず、耳にもたてがみにも尾にも馬勒にも毛が生えていない「黒い馬」の姿だった。
 ティシュトリヤとアパオシャは3日3晩、前足をからめながら戦った。しかし段々と形勢はティシュトリヤに不利になってきて、とうとう悪魔アパオシャがこの雨神を打ち倒してしまった。ティシュトリヤはアパオシャによってウォルカシャ海から1ハースラ(だいたい200mだとか800mだとかいわれる)にまで追い出された。そこで最高神アフラ・マズダーはティシュトリヤに祭式をまつり、10頭の馬の力、10頭のラクダの力、10頭の牛の力、10の山の力、10の川の力を与えた。このようにして力をつけたティシュトリヤはアパオシャのいるウォルカシャ海に再びやってきて、今度は昼まで戦い、そしてとうとうアパオシャを打ち倒した。彼はアパオシャは1ハースラの距離に追い出した。
 こうして邪魔者がいなくなったティシュトリヤは海の水をあれこれ動かして雲を作り、雨を降らせたのだった。

関連項目


参考資料 - 資料/166


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 05:32:58