ブート

Bhut

地域・文化:インド


 死霊のこと。サンスクリットの../ブータに由来する言葉だが、民間伝承の中では事故、自殺、死刑などで急死した人の霊のことである。葬式をおこなわないと有害な霊になる。
 ブートにはバガウト、ビジャリヤ・ビールなどの種類がいて、特に子供や婦人に対して恐れられている。

 ブートについては広いインドで多様な伝承が知られている。
 その姿は、バラモンのものは麦色か白であり、クシャトリヤとヴァイシャとスードラのものは黒い。高さはだいたいパルミラ椰子と同じくらいで、やせている。しかし光が当たっても地面には影ができず、常に鼻声で話す。
 ブートは常に喉が渇いているので、ミルクを好む。だから、ミルクを飲んだ後の赤ん坊を一人にしておいてはならない。また、大地には女神が存在するため、ブートは地面に座ることができない。そのためこれらの悪霊は木の上に棲家を持つ。低いカーストの祠の近くには2つの杭、またはレンガが立てられたり竹が吊るされるなどして、ブートが休むための場所を設けている。普段は木のほかには火葬場、墓地、暗いところにおり、夜中に旅人の前に現れる。ブートに囲まれたら神々や女神たち、とくにカーリー、ドゥルガー、シヴァに念ずればよいとされる。そのため、ブートは寺院には出没できない。
 ブートは人間の体内に侵入するときは頭から入ることが多いが、髪の毛やほかの10の穴から入ることも多い。口は魂の出入り口であるので、あくびをするときは口を手で押えて、ブートが侵入したり、魂が抜け出ていくのを防がねばならない。また、くしゃみによっても入ってくることがある。火葬場では頭蓋骨の縫合線(ブラフマランドラBrahmarandhra、ブラフマーの割れ目)を割ってブートを出す。死体を焼かない場合でも頭を椰子の実かほら貝でたたいて割り、ブートを出してから埋葬することになる。パンジャーブでは、外出するときは口に灰や塩をつけてブート除けにする。また、悪魔を脅すウコンの粉を焼く匂いにはブートはつかない。
 誕生の不浄のため、産毛が切られるまで子供がブートとみなされる地方もあり、子供が穀物を食べるまでは悪霊から守る必要はないというところもある。

関連項目


参考資料 - 資料/99:; 資料/70:


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 06:03:10 (4131d)