マル

Mar

地域・文化:オーストラリア・南部


 南オーストラリアの最南東部に住んでいたブーアンディック人の神話につたわるバタンインコ。
 バタンインコのマルは、火を自分の赤いトサカに隠しており、誰にもそれを渡さなかった。そこで他のバタンインコはマルから火を奪うために、ある計画を立てた。鳥たちはカンガルーを1頭殺し、マルを誘って肉を分け合い、マルが一羽で帰っていってどのようにして火を起こすのかみんなで見ようとしたのである。
 マルは肉を自分の巣に持ち帰って焼く準備をはじめた。彼は爪で頭をかいてトサカから炎を出し、集めてきた草木に火を移した。それを見ていたほかのバタンインコたちは、火をおこす方法はわかったものの、火がないと火をおこすことはできない。ということで小さなバタンインコがこっそりとマルの頭に近づいて、グラストリーの枝を火に差し込んで、ついに火を得て仲間のところに戻ってきた。仲間たちは大喜びしたが、火を盗まれたことに気付いたマルは激怒して自分の火を草につけ、シャンク山から海に至るまでをすっかり焼き尽くしてしまった。カモのクロームは土地が焼かれたことに腹を立て、羽根を羽ばたかせて水を出し、あたり一帯を湖沼地帯にした。

関連項目


参考資料 - 資料/187:


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 05:22:04