フーア

Fuath

地域・文化:スコットランド・高地


 ヴーア(Vough)。
 海、川、湖、沼など、水に関連しているとされる精霊の総称。水の精霊だと考えられることもあるが、そうではない、という意見もある。多くのスコットランドの妖精たちがフーアに属する。
 J・F・キャンベルは、サザーランド(Sutherland)におけるフーアは水の精霊であろう、としている。フーアには男も女もおり、脚には水かきがあり、髪の毛は黄色く、緑色に身を包み、尾があり、ふさふさの髪で、しかし鼻はない。人間と結婚することもあるが、もとが邪悪なのかどうか、光に弱く、当たると死んでしまうようである。また、水の精霊に共通することだが、鉄の武器に弱い。川の流れが交差するところでは落ち着かなくなる。ただし、キャンベルは../ケルピー../バンシーもフーアの一種だとみなしているようである。例えば鼻がない、黄色の髪、などはキャンベルがバンシーの特徴としてフーアの解説の中で紹介しているものだ。
 キャンベルが紹介するフーア(ヴーア)の話に次のようなものがある。
 昔、ある男がMoulin na Fouahのケルピー(ここではフーアと同義)を捕まえてインヴェランまで連れてくる、と賭け事をした。男は茶色の、右側の、タテガミのある馬と、同じく茶色で黒い鼻口の犬を用意した。彼は犬の助けを得てヴーアを捕まえ、馬の後ろに彼女を縛りつけた。ヴーアは非常に怒っていたが、錐と針によって打ちつけられていたため、おとなしくせざるを得なかった。インヴェランには、彼を心配している仲間が待っていた。彼らは明かりを持ってヴーアに近づこうとしたが、ヴーアは明かりに照らされると、流れ星のように地面に落ちて、ゼリーの塊のようになってしまった。
 ヴーア(Vougha)と結婚した人の子孫もいるとされ、子孫は4世代に渡ってタテガミと尾があったらしい。

 「../ブロラハン」は、醜いフーアの息子の物語である。

関連項目


参考資料 - 資料/183:


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Last-modified: 2011-01-11 (火) 02:22:11