シバルバー†
Xibalbá, Xibalba
地域・文化:マヤ・キチェー
キチェー語における悪魔、または死者。人間の敵が住むと考えられていた地下の国もシバルバーと呼ばれた。方言としてシャバルバ(xabalba)、シュバルバ(xubalba)がある*1。
ユカタン地方ではシバルバーは「悪魔」の意味で使われている。チョル語では../シバ。
キチェーの神話『ポポル・ヴフ』第2部においては、シバルバーは、常に地上の住人たちに敵対する存在がいる国として描かれている。シバルバーの住人たちには神格はなく、恐ろしい顔つきをしており、誰でも彼らの顔を見ると怖がった。その顔には色や油を塗っていた。
彼らは人間に悪事を働くことだけが楽しみであり、悪や、罪や不和を引き起こす。嘘偽り二枚舌に長け、嫉妬深く、横暴であった。気に食わないことがあると、すぐに人々をシバルバーに呼び寄せては騙して殺し、人々の敗北をあざ笑っていた。急死や黄疸、飢餓などを引き起こして人々を殺し、血を流すのが彼らの役目であった。
そんなシバルバーの住人も、英雄フンアフプーとイシュバランケーの活躍によって大幅に権力をそがれてしまうことになる。優れた子供や礼儀正しい家来たちはシバルバーから遠ざかり、罪人、悪人、淋しくしている者、薄幸の者、悪徳に身を任せている者だけしか相手にすることができなくなった。
神話の詳細は../フン・カメーの項目を参照。
なお、ラス・カサス神父がベラパスで聞き集めた物語の中に、神エシュバランケンが地獄に攻め込んで王たちを引きずり出そうとした、というものがある。地獄の王たちはすんでのところで解放されるが、エシュバランケンは、彼らに「腐ったもの、捨てたもの、臭いものだけがおまえたのものだ」と言ったという。
関連項目†
参考資料 - 資料/254: