ニュージャージー・デヴィル

New Jersey Devil

地域・文化:合衆国


ニュージャージーに、子沢山の夫人が住んでいた。彼女はまた妊娠してしまい、これ以上子供を養うくらいなら悪魔の子供を産んだほうがいいと誓った。すると本当に醜い悪魔の子供が生まれてしまい、しばらくして成長すると、この悪魔はまわりに大きな犠牲を払って家から飛び出していった。そしてこの悪魔は周期的に現れる。
 母親の名前はリーズ夫人。ニュージャージー州のバーリントンとかリーズポイントとかプレザントヴィルとかエステルヴィルで、それぞれこの悪魔が誕生したという話が伝わっている。また、そのくリーズポイントでは母親の名前がシュラウズ夫人となっている場合もある。

 1735年、子供は多かったものの家は貧しかったリーズ夫人「リーズ家の母」は、一人の男児を出産した。彼女は黒魔術の使い手として有名だったらしい。父親はわからない、悪魔や悪霊だったといわれているが。さて、この子供は、生まれたときは正常な姿をしていたらしい(最初から悪魔だったという伝承もある)。しかし、一夜が経つと子供の姿は凄まじい変貌を遂げた。体は蛇に、頭は馬に、足は割れた蹄に、そして背中には蝙蝠の翼が生え、竜の二股の尾をそなえる「悪魔」となったのだ。この「悪魔」は肌の色も茶色を帯びた薄黒い色に変色し、まわりにいた母とその取り巻きの老婦人たちをなぎ倒して(または殺害して)、煙突から(または窓から)飛び去っていった。なお、この悪魔への変貌の部分は、ゲルマン文化圏に広く伝わっている「とりかえっ子」になっている場合もある(つまり、子供が誘拐され、変わりに悪魔の子供が残された)

 ジャージー・デヴィル(ニュージャージーデヴィル、リーズ家の悪魔、リーズポイントの悪魔とも)は行く先々で嬰児を食い殺し、パインズと呼ばれる湿地帯に腰をさだめた。幾多の旅人がここを通り過ぎる際にこの悪魔の姿を見たり音を聞いたりしたし(犬やふくろうの鳴き声だという)、この場所で好んで狩をしたスペイン国王ジョゼフ・ポナパルトもこの怪物に遭遇したという。海軍は、アルジェリアの海賊退治に使うために製作した砲弾を一発この怪物に打ち込んだが、怪物の前進を止めることは出来なかった。さらに、何か海岸で災害が起こるときは、ジャージーデヴィルが必ず現れていた。さらに、この怪物は海賊の亡霊や水死した許婚を求めてさまよう女性、キャプテン・キッドに殺された彼の手下の幽霊船などとも結び付けられたりした。要するに、この地域で起こる災害や不思議な出来事の全てが、ジャージーデヴィルの仕業とされて伝わっているのである。

関連項目


参考資料 -


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 05:28:34