ウルシトワーレ

Ursitoare

地域・文化:ルーマニア


 別名: ウルシテ、ウルシテレ、ウルディテレ、ウルシトリ、ウルシェトル、ウルサトリ、オサトレレ、ウルソウィ、ウルソヤチェ、ウルソニ(以上は早い時期の記録に現れる名前)、ウルシトレレ、ウルシトワテレ、ウルディトワレレ、アルベ(以降はマケドニア)、カシュメテ、ハラシテ、ハリワセ、ミーレ(アルーマニア人)など。
 ルーマニアの運命の女神。
 古い記録ではウルビデレと呼ばれ、2人組の女神だとされている。名称は地方によって異なるが、用語としてはウルシトワーレという名称が使われている(「用語」というのは日本の水の妖怪をまとめて「カッパ」と呼ぶのと同じ)。
 マケドニアのルーマニア人の間ではアルベなどと呼ばれ、南ルーマニアとブルガリアとマケドニアに住むアルーマニア人のなかではギリシア語のモイラ/ミーラに由来する「ミーレ」という名称で知られている。
 ウルシトワーレのなかの「ウルシ」は語源的にursesc, ursez「あらかじめ定める」やursîta, ursăciîune「運命、予言」と関連している。また「ウルシ」はラテン語のordior「とりかかる、始める」に由来し、ここからursì「予言する」などの言葉が誕生したという説もある。

 ウルシトワーレはギリシアのミーラと同じく3人の女性である。
 彼女たちは赤ん坊が誕生してから3日後の夜に訪れる。そのため、人々はたくさんの食事を用意して部屋を飾り、準備をおこなう。たとえば先端に木綿の帽子をかぶせた七本の小さな木でふち飾りがつけられた小麦粉の入っている皿、家中のお金を入れた木の鉢などである。また、子供が男か女かによって最上の紳士服か婦人服も並べられる。
 しかし、女神たちは現れてもその姿は見えず、音も立てない。昔々、人々がそれほど罪深くなかったころはウルシトワーレたちの決定を聞くことができたが、今ではそれは汚れていない産婆しか聞くことができない。彼女たちは窓越しに子供をのぞき、また食事の量に応じて運命を決定する。運命は「運命の書(cart a sorţ)」に書き込まれ、神も聖書もこの決定を変更することはできない。
 その姿は見えないが、産婆(モワーシャという)が3日目の夜に歌う「ウルシトワーレの歌(Căntecul ursitelor)」によれば白装束に身を包んでいるという。

 ウルシトワーレもギリシアのモイライと同じく三人で役割を分担している。たとえば、一番目の女神ウルシトワーレアが糸巻き竿の紡錘を回す(生を始める)。二番目のソワールタが糸を紡ぐ(生を決定する)。そして最後にして最年少のモワールテアがはさみで生命の糸を断ち切る(生を終わらせる)のである。3人の名前には多くのバリエーションがある。

関連項目

  • 複数形

参考資料 - 資料/188:


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 05:41:06 (4223d)