地域・文化:ゾロアスター教
アンラ・マンユの配下の悪魔の一人。
その名前はサルワ、ノーンハスヤなどとともに、『アヴェスター』の「ウィーデーウダード」第19章などに見られる。その性格は全くはっきりしない。
インドラは、その名前から想像できるように古代インドの戦闘神にして天候神であり、ヴェーダ時代には絶大な人気を博した神インドラと同一のインド-イラン的起源をもつ存在だったと考えられている。しかしゾロアスター教においては一介の無個性的な悪魔に成り下がってしまった。この経緯については「ダエーワ」参照。
中世ペルシアでは、ドゥルジのかわりにアムシャ・スプンタの中のアシャに対抗する六魔の一人とされた。パフラヴィー語文献『ブンダヒシュン』では、世界の終末時においてアルドワヒシュト(アシャ・ワヒシュタ)に征服されることになっている。