デーウ

Dēv
(ŠDYA)

地域・文化:イラン


 中世(中期)以降のイラン語における悪魔のこと。アヴェスター語における../ダエーワであり、『アヴェスター』にあるのと同様に、パフラヴィー語文献でもデーウは善神オフルマズドに対抗する無慈悲な悪の存在であるとされた。

 創造神話の書『ブンダヒシュン』第28章には次のようなデーウがリストアップされている。
 アコマン、インドラ、サウルワ、ノーンハスヤ、タウルウィ、ザイリ(これらは6大悪魔とされる)、タロマイティ、ミサオクタ、アラスカ、アエシュマ、ウィザレシュ、ウタ、アカタシュ、チェシュマ、ワルン、ブシャスプ、シジ、ニヤズ、アズ、ピニフ、ナス、フレプタル、スパズグ、アナスト、アガシュ、ブト、アストウィハド、アパウシュ、スペンジャグラ、クンダ(Anklesaria訳)。別の訳ではアコーマン、アンダル、サーワル、ナーイーキーヤス、タプレーウ、ザーイーリーチ、タローマト、ミートーフト、アラシュク、アエシュム、ウィーザレシュ、ウダ、アカーターシュ、ザルマーン、チーシュマク、ワレノー、ブーシャースプ、セージュ、ニーヤーズ、アーズ、プーシュ、ナス、フリーフタール、スパズグ、アラースト、アイーガーシュ、ブート、アストー・ウィーダード、アパーオーシュ、アスペンジャルガーク、クーンダク(SBE)。

 民間伝承中では妖精族../ペリと敵対する魔族の一群である。
 デーウは黒い巨人の姿をしており、長い鉤爪を伸ばし、角を生やすこともある。空を飛ぶことができ、変身することも可能である。顔が醜いので美しいペリをさらうこともある。ペルシアの伝説の王タフムーラスはデーウをほとんど殺して世界を平和にしたという。また、ソロモン王も彼らを魔術で束縛した。

関連項目


参考資料 - 資料/11:26; 資料/126:


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