地域・文化:インド
古代インドの叙事詩『マハーバーラタ』に言及されている異民族(複数形でカルナプラーヴァラナースKarṇaprāvaraṇrāsと表記されている)。詳細は記されていない*1。
長い耳たぶを持った人々。その耳たぶでもって体を覆っているという。「ラクダ耳の人々」「耳たぶに手を持つ人々」「唇の近くに耳たぶを持つ人々」などといわれている。
『マツヤ・プラーナ』によれば、カルナプラーヴァラナはナリニー河近くに住んでいる。ナリニー河はターマラ、ハンサマールガ、サムーフカ、プールナを流れ、そして山の中腹からカルナプラーヴァラナたち、アシュヴァムカたち、パルヴァタマル、山のステップ、そしてルーミーマンダラを通って大洋へと注ぎ込む*2。
19世紀になってもなお、ヒンドゥスタン地方には両耳たぶにくるまって寝る人々についての伝承が伝わっていた*3。
19世紀末の人類学者エドワード・タイラーは似たような怪人種が他の文化にも見られることを紹介して、耳を伸ばす風習などの勘違いであろうと結論付けていた*4。いかにも19世紀らしい結論である。