地域・文化:インド
冥界王ヤマの番犬。シャバラとシュヤーマの2頭がおり、いずれも眼が4つある。インドラの犬サラマーの子供である。
『リグ・ヴェーダ』10.14では、この犬たちは冥界へいたる道を監視しており、聖別された人の魂だけが降伏な死後の生活を約束される、とされている。また、『アタルヴァ・ヴェーダ』のなかでは、サーラメーヤたちはヤマの使者、つまり死神のようなものであるとされており、死につつある人を導くとされる。
『マハーバーラタ』においては、犬がユディシュティラと兄弟たちを来世へと先導する。
ちなみに、この犬たちを形容する言葉にシャルヴァラというのがあるが、これは語源的にはギリシアの冥界の番犬ケルベロスと関係があるらしい。4つの眼というのも、本来は双頭だったことを意味するのではないか、という説もある。また、インドと兄弟関係にあるイランの世界観でも、あの世には4つ眼の犬がいるとされる。