地域・文化:インドネシア
インドネシア、マレーシア、フィリピン、モルッカ諸島に至る広い地域で伝えられている、お産で死んだ女性の亡霊。妊婦や子供を襲い、また男性から性器を奪い取ったりする。
その姿は女性であるとされることが多いが、鳥の姿であると考えられることもある。マレー半島のマレー人のところではフクロウ、ボルネオ東南部では鶏、スマトラのアチェ、ニアス島、セレベスのトラジャ人は単に鳥の姿だとされている。アンボン島ではポンティアナクは女の頭をした白い鳥で背中の穴に犠牲者や男性器を隠すとされ、ハルマヘラ島では火のような目を持った鳥だとされる。
ボルネオ島の西端近くにあるポンティアナクという都市はそのままこの亡霊の名前から採られたものである。
かつてはこの地にポンティアナクが跳梁跋扈していた。1772年にアブドゥル・ラーマンが同市を建設した時には、まず2時間ものあいだ実弾でこの地域に船から銃撃を行ってポンティアナクを追い払ってから、山刀を持って岸に移り、ジャングルを伐採した。そこで、部下たちもそれにならってこの市を建設したという。
参考資料 - 資料/57: