*アクリス [#d0b0489a]
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地域・文化:ローマ

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 プリニウスの『博物誌』に掲載されている、スカンジナヴィアに棲んでいるといわれる幻獣。~
 プリニウスはまだ見もせぬこの動物の噂を聞き、この動物はヘラジカに似てなくもないが、後ろ足の関節がなく、脚を折り曲げる事が出来ないために横たわることが出来ない動物で、眠る時には木に寄り掛からなければいけないとした。~
 この動物の性質を生かして、動物の寄り掛かりそうな木を選び、木をすぐ折れるようにすると、アクリスを捕らえる罠になる。しかし、その後のアクリスをどうするかは伝わっていない。~
 また、アクリスの上唇が極端に大きいことも当時のローマでは評判だったという。この事から、プリニウスはアクリスは草を食べる時に、後ろ向きに進んだのだろうと想像している。何故なら、もし前に進むとなればこの上唇が後方に引きずられ、口を塞いでしまうからだという。
 スカンジナヴィアの島に生息する野獣。エルクに似ているが、その後脚の膝には関節がない。そのため横たわることができず、寝るときは樹木に寄りかかるしかないという。人々がアクリスを捕まえるときは、この習性を利用して、罠に仕立て上げた木を用意し、それを切り倒すことで起き上がれないようにする。~
 アクリスの上唇は非常に大きいので、草を食む時は後ろ側にさがっていく。そうすれば上唇を巻き込んで口が塞がれてしまうことがないからである。~
 プリニウスは、ローマでは一度も見たことはないが、多くの人々がアクリスについて語っている、と述べている(『博物誌』VIII.39)(([[資料/972]]:30-31.))。
**関連項目 [#ndde496f]
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-[[../アルケス]]

-[[キーワード/幻獣]]
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参考資料 -


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