地域・文化:ローマ時代のエジプト
パノポリスで発掘された紀元後2世紀ごろのミイラに記されていた短い文書にのみその名が見える、合成獣の名称。
名称はヒッポケンタウロス+デルピス(=イルカ)。
この文書はギリシア語とデモティックの二言語で書かれており、そのなかの複数属格ヒッポケンタウロデルフェイノン(Ἱπποκενταυροδελ̣φειίν̣ον)が唯一の事例である。このミイラにはケンタウロスとヒッポカンポスを組み合わせたような怪物が描かれた封印がされており、それがこのヒッポケンタウロデルピスのことではないかと推測されている。
図像中ではこの怪物は、上半身は人間の男性だが、下半身の前半部は馬、そして後半部は一回尾を巻く魚というようになっている。
ちなみに全文は以下のとおり。
(ギリシア語) 若きディデュモスDidymos、アポレロスApollerosの息子。 彼はヒッポケンタウロデルフィンス[の図像によって]封印される。 第5年第24パメノト月。 (デモティック) 若きハトレスHatres。
参考資料 - 資料/502:136-38