地域・文化:ローマ
ラルヴァ、ラルウァ、ラルバー、ラールウァエ。
古代ローマの亡霊の一種。生前のおこないにより冥界に行くことができず、地上をさまよっている霊魂のことである。彼らは夜になると活動し、生きているものを呪い殺す。
善霊はレムレスとよばれ、マネスという祖霊やラレスという家霊に分類される。これらの精霊はキリスト教到来後も地道に信仰されたが、宗教改革以降は悪魔の一種だとされるようになった。魔術師パラケルススはラルウァに悩まされたことがあるという。ラルウァには知性はなく、心の弱い人や煩悩を持つ人の目の前に現われる。その姿は人間の胎児や動物、死体といったおぞましいもので、さらに、一瞬たりとも同じ姿に留まることはない。こっちのほうのラルウァは、処刑された罪人からただれ落ちた血液や精液だったり、女性の不浄の血、男性の夢精によって放出された精液などの、キリスト教的に汚らわしいものから発生するとされる。
参考資料 -