*タルピ [#j50bfb3e]
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地域・文化:ヒッタイト

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 精霊の一種。~
 ボアズキョイから出土したアッカド語とヒッタイト語の語彙リストなどによれば、タルピはアンナリと併置されてアッカド語の[[シェードゥ>メソポタミア/シェードゥ]]と[[ラマッス>メソポタミア/ラマッス]]の併置に対応すると記述されており、どうやらタルピとアンナリは同様に精霊のような存在として認識されていたのではないか、と考えられている。~
 アッカドのシェードゥは、「ラマッスとシェードゥ」として書かれたときは好意的な守護精霊とされるが(エジプトの[[スフィンクス>エジプト/スフィンクス]]のような存在)、「シェードゥ」と単体で書かれたときは悪霊を意味する。タルピもアンナリと併置されることもあれば単独で書かれることもあり、後者の場合は悪霊として考えられていたのではないか、と推測されている(([[資料/500]]:63-66.))。
 ヨハン・ティッシュラーはヒッタイト語辞典で「悪い状況。また、その状況が具象化された悪霊」と定義している(([[資料/522]]:87.))。

 旧約聖書には語源がよくわかっていないテラピムという存在(守護精霊の彫像?)が登場する。タルピが守護精霊だとすれば、テラピムの語源だったのではないか、という説があり(([[資料/500]].))、複数ある語源説のうちではこれがもっとも有力のようである(([[資料/501]]:.))。しかしながら父祖時代のヘブライ人に対するヒッタイトの文化的影響はほとんど知られておらず、一番有力な説ではあるが確証はない、というのが現状のようだ。
**関連項目 [#c92916a1]
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-[[キーワード/]]
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参考資料 - [[資料/500]]


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