地域・文化:アッシリア
「人間ライオン」。
ウルマフルル。
上半身が人間で下半身が四本脚のライオンという姿をしており、頭には角状冠をかぶっている。中期アッシリア、新アッシリア時代の美術にその姿が見られる。ウルマフルッルーは同様の語尾があるクルッルーやギルタブルルーと違い、前13世紀のアッシリア時代まで楔形文字文書や美術に現われていないため、アッシリア時代の造語であると考えられている。
ウルマフルッルーは宮殿を悪霊や不運から守る善なる精霊だとされた。とくにトイレの外側に置かれていたらしく、そこで悪霊ムキール・レーシュ・レムッティの攻撃を阻んだらしい。ライオンの姿をしているこの悪霊と剣をもって戦うウルマフルッルーの姿が彫られている円筒印章が中期アッシリアの遺跡から発掘されている。
資料:三笠宮崇仁『古代メソポタミアの神々』ほか