シェディム

Šēḏîm
שֵׁדִים

地域・文化:ユダヤ教


 シェージーム(シェーズィーム)。複数形。
 邪神。旧約聖書においては、ユダヤ教以外の神に当てられた名前。語源はバビロニアのシェードゥ(善悪の精霊)。旧約聖書では「民数記」32:17、「詩篇」(資料/106:37)に見える。多くの訳では「魔神」「悪魔」と翻訳されている。
 バビロニア・タルムードでは、シェディムは悪魔と同義になり(スッコート編28a)、ルアハ・テザジト(狂気の悪霊)と同一視もされた。
 スペインのカバラでは、ナフマニデス(Nahmanides)がシェディムはゴミ(Shedudim)の中、廃墟、北方のような寒いところに存在しているとした。彼らは四大元素から創造されたのではなく、炎と空気のみから創造されたという。というわけでその身体は希薄で人間の感覚では捉えどころがなく、空や火の中を飛ぶこともできる。さらに高く空を飛んで獣帯の近くにまでいけるために、近未来に起きることを知ることもできる。食べ物は匂いと樹液である。しかし彼らも異なった元素によって創造されているために、次第に衰えていって人間のように死んでしまうという。
 降霊術師たちは香料を炊いてシェディムを呼び出すが、彼ら自身は非常な寒気をともなって現われる。
 マジキムとよく混同される。

関連項目


参考資料 - 資料/7:


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