*シュレレ [#d0b0489a]
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地域・文化:北アジア・ヴォルガタタール、中央アジア・タリム盆地

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 森の精霊。&br; ヴォルガ・タタールによれば、シュレレは人間を襲って殺してしまう恐ろしい妖怪である。&br; シュレレの乳は非常に長く、それを肩にかけられるほどである。指も長く、このような身体的特徴によってシュレレは人間を殺すのである。あるときは、長い乳を人間の口に押し込めて窒息させてしまう。また、人間をおびき寄せてから長い指によってくすぐり続け、そして殺してしまうともいう。しかしながらシュレレは水を恐れている。そのため、シュレレに襲われたら、もし近くに川があるならば、それを渡ればシュレレの害を退けて助かることができる。&br; また、シュレレは草原で一番の優れた馬に乗っていて、これがヘトヘトになるまでずっと乗り回し続けている。顔を後ろに向けて乗っている。&br;&br; タリム盆地には、以下のような物語が伝わっている。&br; あるきこりの前にシュレレが姿をあらわした。&br; 「おまえの名前はなんだ」&br; きこりは「"去年"という名前だ」と答えた。&br; そして、きこりは森の精霊から逃げるために、まず丸太に斧を打ち込んだ。そして、シュレレに「指を割れ目に入れろ」といった。シュレレがそれに従って指を入れると、きこりは斧を引き抜いた。シュレレの指は割れ目に挟まれ、激痛が走った。この精霊は叫びまわり、自分たちの仲間を呼んだ。しかし彼は「去年がやった!去年がやった!」とばかりいう。そんなこんなだから、「今年ならなんとかなるが去年だとどうにもならない」と、仲間はあきれて去ってしまった。シュレレは、今でも指をはさんだ丸太を担ぎながら叫びまわっているという。&br;
**関連項目 [#ndde496f]
-[[../オブダ]]

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参考資料 - [[資料/171]]:; [[資料/64]]:

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