地域・文化:モンゴル
モンゴルの始祖伝説系譜に登場する、隻眼の祖先。
チンギス・ハンの一代記である『元朝秘史』巻一によれば、ボルテ・チノ(蒼き狼)から数えて11代目にあたる。ソコルsoqorは盲目の意味だが、モンゴルでは隻眼でも盲目であるとみなされていた。
ドワ・ソコルの父親はドロゴルヂンで、兄弟にドブン・メルゲンがいた。彼は隻眼だったが、『秘史』には特に「額の真んに唯一つの目をもち」*1とあり、にもかかわらず非常に広大なランドスケープを一望することができたらしい。
ドワ・ソコルはその目をもって山上から眺めていたが、人々の一群が移動している中にとても美しい女性がいるのをみた。彼は兄弟のドブン・メルゲンに「あの女を娶るがよい」といい、彼を見にやらせた。その女性というのがアラン・ゴアで、チンギス・ハンはドワ・ソコルではなくドブン・メルゲンとアラン・ゴアのほうの系譜に生まれることになるが、まだそれは12世代後の話である。
参考資料 - 資料/388:13-16, 45