ザルグル

Zalgur

地域・文化:カシミール


 「河の馬」。
 以下の民話には、ザルグルのような動物が現れている。

 昔々、一人のイスラム教僧侶(ファキール)が、妻に強いられて、自分の持っていた賢いオウムを売りにでかけた。旅の途中、海辺に出て、そのままオウムと乗っていた雌馬を放置して寝床についた。その夜ザルグルのような動物が海中から現れて雌馬に挑みかかり、そのまま再び海中へと去っていった。オウムは一部始終を見ていたが、ファキールを含め誰にも話さなかった。
 ファキールは都に着き、王に1万ルピーでオウムを売った。オウムはその際、ファキールに対して、雌馬が最初に生んだ子馬を王に贈ることを約束させた。その後オウムは王の寵愛する妃の機嫌を損ねて殺されそうになるが、王に7日間の猶予を乞う。海上に島があり、そこに美しい王女がいる。王はそこに行って愛せられ、連れ帰って妃にせよ、と。王はしかし島へ行く手段を持たなかった。そこでオウムはファキールからくだんの子馬をもらい、それに王を乗せる。子馬は水上を陸地の如く走り、無事に王女のもとへとたどりつく。王女を娶った王は、帰途、オウムの忠告を無視して一人無人島で寝てしまい、子馬と王女を奪われてしまうが、ふたたびオウムの機転で取り戻し、めでたく都に帰りました。

関連項目


参考資料 - 資料/38:55-56


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