アバドン

Abbadon

地域・文化:悪魔学


 ヘブライ語で「滅びの国」を意味する。
 ヘブライ語の語義のとおり、旧約聖書ではアバドンという言葉は何度か出てくるものの、どれも場所を示しており、特定の超自然的存在を意味しているところはない(『ヨブ記』26:6など、『箴言』15:11、『詩篇』88:12)。『タルムード』Er. 19aではゲヘナ(冥界)の七つの名前のうちの二番目だとされ、『ミドラッシュ・コネン』ではゲヘナの第二の領域だとされている。
 しかし新約聖書の『ヨハネの黙示録』9:11では底なしの穴の天使として擬人化され、終末に世界中を荒らしまわるイナゴの頭領として現われる。ここではまた、ギリシア語ではアポリュオン(Απολλυων/Apollyon:アポリオン、アポルオン)という、ともされている。アポリュオンの意味は「破壊者」で、ギリシア語の「破壊する」という動詞から派生したものである(ってか、アポロンとは発音が似てるだけで無関係なのに勝手に関連付けてる人が何人か……そのうちの1人はアポロンとエジプトのアペプを同一視してたりする。ただ、岩波の黙示録の注には一応言及されており、切り捨てられるような駄説、というわけでもないらしい)。

関連項目


参考資料 - 資料/356; 資料/7:s.v.


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