日本

海鹿

Iruka

地域・文化:日本・岡山


 備前の国に伝わる海の大魚。

 土肥経平(?~天明2年/1782年)が著した『寸簸之塵(きびのちり)』下巻の「あまが塚 児島郡 馬塚 邑久郡」の項によると、むかし備前に海佐介という武勇の士がいた。彼は逆賊を討伐するために官軍とともに海を渡ったが、そのとき船には乗らず、馬に乗って海面を歩いて渡った。成敗を終えて帰りも同じく海面を歩きながら国に戻ったとき、備前の内海で海鹿(いるか)という魚に馬を攻撃された。しかし馬は少しもひるまず、佐介を陸に下ろして、しかしのち、斃れた。馬はそこに埋葬され、ここを馬塚と呼ぶようになった……[482:362-63]。

 海鹿ではなく馬鹿という名称でほぼ同じ伝説が『和気絹』にも掲載されている。「馬鹿」の項目参照のこと。

関連項目


参考資料 - 資料/482:362-63


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