地域・文化:ウガリト
「暴君」、「力強きもの」*1。
海の怪物../トゥンナーンの形容辞。
「七つの首あるシャリート」という文に現れる。
シャリートという語の意味は、ヘブライ語のšlyṭ「力のある」、「支配者」*2など他のセム諸語からの類推&神に敵対して暴れまわる海の怪物という性質から「暴君」「力強きもの」あたりが妥当ではないかと考えられている。
別の説としては、「とぐろ閉じるもの」という意味があるのではないかという説がある。これはトゥンナーンが蛇型の怪物であるという推測によるものだろう。それによれば原形は*šly/wṭで、アッカド語のlâṭu*3やヘブライ語のlûṭ「包む」などと語源的に関連しているのだという*4。また、もし語根がšlṭだとすればアッカド語のšalāṭu*5「長く切断する」と一致し、「怪物の首が七つの頭に"分裂する"ことへの言及になる」としている*6。
参考資料 - [[資料/