地域・文化:博物誌
英語:アントライオン(Ant-lion)。
ドイツ語:アマイゼンレーヴェ(Ameisenlöwe)。
ミュルメーコレオーン。
中世には../フォルミコレオンと呼ばれたりもした。
昆虫の蟻を母として、肉食獣のライオンを父として生まれた怪物。名称自体は七十人訳聖書のヨブ記が初出だが、怪物としての描写は古代末期の『フィシオログス』に登場するものが最古のようだ。フィシオロゴスが翻訳され広まる過程でミュルメコレオンの伝説も広まったようである。ヨーロッパだけではなくアルメニア、エティオピア、シリアなどにも伝播している。
現在、ミュルメコレオンは一般的にはライオンの頭と蟻の胴体を持つと描写される。しかし中世の写本でミュルメコレオンが書かれたものは極めて稀で、唯一それらしいものがあったとしても蜘蛛かダニのような姿で描かれていた。
そもそもは、旧約聖書をヘブライ語からギリシア語に翻訳するときの誤訳に端を発する存在である。
参考資料 - 資料/120: