リゼ

Rise

地域・文化:ドイツ(中高ドイツ語)


 「巨人」。現代ドイツ語のリーゼにあたる。
 中世の中高ドイツ語叙事詩や物語にはとても多くの巨人が現れる。多くは主人公の英雄にやられる怪物としてだが、家系がはっきりしているような巨人もいる。

 『ニーベルンゲンの歌』第3歌章87-96に、こういった巨人が少しだけ現れている。
 あるとき勇士ジーフリト(<small>Sîvrit/Sîfrit=ジークフリート</small>)が馬に乗って山のふもとを進めていると、「ニーベルンゲンの宝」を前に、多くの荒くれ男たちが集まっていた。ニーベルンゲンの宝は山の洞窟のところから運び出されており、それをニーベルンゲン族が分配しようとしていたのである。ジーフリトはそれを妙なことだと思い、彼らに近づいていった。ニーベルンゲン族の王であるシルブンクとニベルンクはこの英雄を快く迎えた。しかし謀略をもって、彼にニーベルンゲンの宝を分配してくれるように熱心に頼んだ。ジーフリトはおびただしい数の宝石や黄金を含んだニーベルンゲンの宝をすべて分配し、そしてニーベルンゲンの剣(<small>バルムンク?</small>)を彼らから贈られた。
 しかしニーベルンゲン族は不平で腹を立て、ジーフリトを攻撃した。シルブンクとニベルンクたちには12人の勇士がいて、彼らは力強いリゼだった。しかしそんなリゼたちも、怒りに燃えたジーフリトの前には為す術がなかった。さらにジーフリトは名剣バルムンクをもってニーベルンゲンの戦士700人も征服した。ニーベルンゲン族はこの英雄に恐れをなし城と国を挙げてジーフリトに差し出したのだが、彼はその上にシルブンクとニベルンクをも殺してしまったのだ。

関連項目


参考資料 - 資料/14:447; 資料/15:600; 資料/105a:31-33


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