地域・文化:ドイツ(中高ドイツ)
ドラゴン、またはドラゴンのような怪物。リン(しなる、曲がる=蛇の古語)+トラッヒェ(=ドラゴン)の合成語。
『ニーベルンゲンの歌』第3歌章第100連に書かれている「竜」がこのリントラッヒェである。
英雄ジーフリト(Sîfrit=Siegfried)はあるときリントラッヒェをも退治した。このときジーフリトはこのドラゴンの血を全身に浴び、そして肌が不死身の甲羅となった。どんな武器も彼を傷つけることができなくなったのである――唯一つを除いて。
このリントラッヒェは北欧でいうファーヴニルのことだと思われるが、記述が少なすぎて、またファーヴニルの財宝のことも別の物語(<small>ニーベルンゲンの宝になってしまっている。「リゼ」参照</small>)になってしまっているため、はっきりとしたことはわからない。