ワイト

Wight, wiht, wiʒtes

地域・文化:イングランド


 古英語形のウィヒト(wiht)は現代英語のthingのようなもので、存在一般をこの言葉で意味していたらしい。だから当然妖怪や精霊の類もウィヒトという言葉で呼ばれるようになるわけで、たとえばウンフェーレ・ウィヒト(unfǣle wiht)「不気味なウィヒト」、ユフェル・ウィヒト(yfel wiht)「悪いウィヒト」、ウェルゲ・ウィヒト(werge wiht)「呪われたウィヒト」などのように精霊的な存在を表現することもあった。中期英語ではこの語だけで精霊を意味するようになった(このときの複数語形はwiʒtes)。たとえばグロスターのロバートは「大気の精霊」だとして、幽霊(gostes)と同じようなものだとしている。

 近世以降は死語となったが、ファンタジーなどの創作ではアンデッドの一種を意味するようである。

 ドイツ語のヴィヒト、北欧のヴェッティルと同語源。

関連項目


参考資料 -資料/619:46


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