*ヴェルト・ヴェル [#d0b0489a]
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*ヴェルト・ヴェル [#vertesvelle]
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地域・文化:フランス

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 「緑のヴェル」。&br; 森の中に住んでいるという、植物たちの精霊。女性である。&br; 妖精らしくその姿は小さく可憐で、植物そのものであることもある。&br; 同種の妖精は多く、そのなかには花や草の名前そのものである妖精もいれば、「緑の」がつく妖精も多い。&br; 中世の伝承では、冒険を求めに森の中に入ってくる騎士たちとのロマンスもあったという。&br;&br; 中世の伝承の具体的なものはよくわからないが、フランス語の作品である12世紀初頭の『アレクサンドル物語』(ヴェニス版368節、6185~6167行、パリ版200節、3531行~3534行)には、次のような物語がある。アレクサンドルが森の精霊の妨害を突破して森に入ったところ、そこで美しい娘たちに出会った。一人ひとりが木の根本に座っている。しかしこの娘たちは、森を離れれば命がなくなってしまう。案内人たちが語るところによると、この娘たちは冬になると土の中にもぐり、また暖かくなると芽を出して開く。そして花が咲くと、中央の芽が身体になり、まわりの小さな葉が服になるのだという。&br; この説話はアレクサンドル物語の原典であるラテン語やギリシア語テキストにはなく、その源泉は東洋に求められると考えられている。リヒャルト・ワーグナーの『パルジファル』もこの説話の影響を受けているらしい。
 「緑のヴェル」。~
 森の中に住んでいるという、植物たちの精霊。女性である。~
 妖精らしくその姿は小さく可憐で、植物そのものであることもある。~
 同種の妖精は多く、そのなかには花や草の名前そのものである妖精もいれば、「緑の」がつく妖精も多い。~
 中世の伝承では、冒険を求めに森の中に入ってくる騎士たちとのロマンスもあったという。

 中世の伝承の具体的なものはよくわからないが、フランス語の作品である12世紀初頭の『アレクサンドル物語』(ヴェニス版368節、6185~6167行、パリ版200節、3531行~3534行)には、次のような物語がある。アレクサンドルが森の精霊の妨害を突破して森に入ったところ、そこで美しい娘たちに出会った。一人ひとりが木の根本に座っている。しかしこの娘たちは、森を離れれば命がなくなってしまう。案内人たちが語るところによると、この娘たちは冬になると土の中にもぐり、また暖かくなると芽を出して開く。そして花が咲くと、中央の芽が身体になり、まわりの小さな葉が服になるのだという。~
 この説話はアレクサンドル物語の原典であるラテン語やギリシア語テキストにはなく、その源泉は東洋に求められると考えられている。リヒャルト・ワーグナーの『パルジファル』もこの説話の影響を受けているらしい。
**関連項目 [#ndde496f]
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-[[キーワード/森]]
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参考資料 - [[資料/147]]:; [[資料/253]]:341-42



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