項目の階層について

すべての項目で、「/」の前は階層名、後は項目名である。階層は項目を大雑把に分類している。

この事典の項目名が固有名詞によっている以上、その名詞が使われていた「言語」を基準として項目を大雑把に分類するというのはある程度理にかなった方法だと思われる。また、日本国のように「国語」や公用語が一つしかない現代の国家がある以上、そのような国名を基準に分類を行うのも、やや妥当性にかけるにしても、実際的な方法である。
後者については当然のことながら問題が多い。しかし前者にも問題はある。私がここで想定しているのは主に「世界宗教」のことで、たとえばエジプトで発掘されたコプト語のナグ・ハマディ文書に記されていた天使たちを、私たちは「古代エジプト」や「コプト」の下に一まとめにできるだろうか? マニ教の超自然的存在はアラム語、ペルシア語、ソグド語、パルティア語、中国語、ギリシア語、シリア語、アラビア語、トルコ語などにバラバラに記述されているが、そのように分散すべきか? こうした問題については、多くの場合、資料の偏りによって分類を決めた。ある宗教内部における役割について私の手元にある資料が多ければ宗教分類に、ある言語内部における役割について資料が多ければ言語分類を行なった。なお「ヒンドゥー教」というのは、ヒンドゥー教成立移行におけるサンスクリットの宗教伝統といった意味であり、ここでは実質的に言語分類と同一視している。時代区分を行なっているだけである。
また、同一言語であってもエスニシティが異なる場合は分けて分類した。セルビアとクロアティアのような例がそれである。違う言語であっても同一民族・集団であるという考えがある場合、統合している。ユダヤが代表例である。しかし、同一言語とされているものの、時代によって学習しなければネイティヴさえ理解できないような隔たりがある場合(日本語や中国語など)は統合している。古代エジプト語のように、言語学上は分類されていても一般にそれほどなじみがない場合も統合している。


階層分類は基本的に個別項目の「地域文化」分類の上位分類ということにしてある。これは伝統的な地域分類に従っているところが多いが、いくつかは語族分類に、いくつかは宗教分類に、いくつかは言語分類によっている。主な理由はそれぞれの階層内における項目数の多寡に差がないようにするためだが、それでも「日本」に2000項目、「仏教」に1500以上あって「アフリカ」が200に満たないというような大きな(主として資料の偏りによる)差があることはある。それは仕方がない。
西アジアがやたら分割されているように見えるが、それは気のせい。

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