*ペガソス [#o36767bf]
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地域・文化:古代ギリシア

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 ペーガソス。~
 英語: ペガサス(Pegasus)。~
 ラテン語: ペガスス(Pegasus)。~
 メドゥーサが首を切られたときに、その血から飛び出したといわれる、翼の生えた神馬。生まれた後すぐにゼウスの雷を運ぶ役割を担って天空を駆け巡った。ペガソスは暴れ馬で、女神アテナの黄金の手綱をつけない限り決しておとなしくならないという。それで、その手綱をつけたのが英雄ペレロポン。彼はペガソスに乗って怪物キマイラを倒した。しかし、その後慢心して天に上ろうとしたため、神の送られた蜂によって馬が刺され、思わず彼を地上に叩き落してしまったのだった。

 語源には諸説あるが、近年、ルウィ語起源が提唱されている。~
 ルウィ語はヒッタイト語と同じアナトリア語系古代言語であり、紀元前にアナトリア(トルコの半島部分)の一部で使用されていた。ルウィ人およびルウィ語、その宗教や神話伝説に関してはヒッタイトなどと比較するとほとんど判明していないが、そのパンテオンのなかにピハサシ(Piḫaššašši[š])という雷光の嵐神がいる。ルウィ起源の神格だがヒッタイト王国の首都ハットゥシャにおいて王族の守護神として崇拝されていた時期もあった。そのような有力な神だったので、先史時代のギリシアにピハサシ神が伝承されていても不思議はないというわけである。~
 ヘシオドスが、ペガソスがゼウスのもとへと「雷鳴と電光を持ち運ぶ」(『神統記』286)と歌っているように、雷との密接な関係は、この馬に関する最古の資料からすでに知られていた。またピハサシのほうも、馬と特別な関係にある神格だったらしい。音声的にみても、こじつけというほど両者がかけ離れているというわけではない。そのような根拠からペガソスの語源やいくつかの特徴がルウィ人の雷神に由来するのではないか、というわけである[[[資料/489]]:269-70]。~
 ヘシオドスが、ペガソスがゼウスのもとへと「雷鳴と電光を持ち運ぶ」(『神統記』286)と歌っているように、雷との密接な関係は、この馬に関する最古の資料からすでに知られていた。またピハサシのほうも、馬と特別な関係にある神格だったらしい。音声的にみても、こじつけというほど両者がかけ離れているというわけではない。そのような根拠からペガソスの語源やいくつかの特徴がルウィ人の雷神に由来するのではないか、というわけである(([[資料/489]]:269-70.))。~
 この説の問題点としてはピハサシ神とペガソスの資料の時代的・距離的な隔たりを埋めるものがないということ、どのようにして雷神が馬になったのかについての明確なプロセスに答えられないこと、などが挙げられる。
**関連項目 [#q12a258c]
-[[../メドゥーサ]]、[[../キマイラ]]

-[[キーワード/馬]] [[キーワード/飛行]]
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参考資料 - [[資料/489]]:269-70

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