*フワワ [#huwawa]
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地域・文化:シュメール

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 アッカド語における[[../フンババ]]のこと。ただし、古バビロニア語、ヒッタイト語版、フリ語版『ギルガメシュ叙事詩』などではフワワとされている。ある古バビロニア語版ではフ、またはフワと短縮され、別の版ではフビビと表記されている。どの場合も、神の限定詞(ᴰ)がつく場合がある。また、アナトリア(ヒッタイト語、フリ語)ではhu-WA-WAと表記されてはいるが、フピピまたはフウィウィと読むべきであるらしい。~
 フワワの名前が現れる最古の例は、神話や伝説のなかではなく、ウル第3王朝期の人名のなかである。そこのフワワは他にフババとも表記された。
 アッカド語(古アッカド語、アッシリア語、バビロニア語)でいうところの[[../フンババ]]のこと。ただし、古バビロニア語、ヒッタイト語版、フリ語版『ギルガメシュ叙事詩』などではフワワとされている。ある古バビロニア語版ではフ、またはフワと短縮され、別の版ではフビビと表記されている。どの場合も、神の限定詞(ᴰ)がつく場合がある。また、アナトリア(ヒッタイト語、フリ語)ではhu-WA-WAと表記されてはいるが、フピピまたはフウィウィと読むべきであるらしい。~
 この名前が現れる最古の事例は、神話や伝説のなかではなく、ウル第3王朝期の人名のなかである。この人名はフババとも表記された。

 杉森の守護者フワワは、シュメール語の叙事詩『ビルガメスと生命の森』、『ビルガメスとフワワ』『ビルガメスと杉の森』とも呼ばれる物語(シュメール語でen.e.kur.lû.ti.la.šè)において現われる。~
 ギルガメシュ(シュメール語ではビルガメス)と下僕エンキドゥ(友人的な関係にあるアッカド語版とは異なる)は50人の兵を連れて「生命の地」へと向かった。そこは神エンリルの聖地であり、彼の命によってフワワがそこを守護していた。ギルガメシュたちは7つの山を越え、ようやく目的の場所の前までたどり着いた。エンキドゥは入るのを躊躇したが、ギルガメシュは入っていった。そこで彼は部下たちに木々を伐採するように命じ、フワワはそんな彼らに向かって七倍のメランム(聖なる光彩)を浴びせた。とはいえ多勢に無勢、それにおそらく太陽神ウトゥの守護もあってフワワは捕らえられ、ギルガメシュに命乞いをした。彼の態度は誠実なものでギルガメシュも一度はフワワを見逃そうとした。しかしエンキドゥは生かすべきではないと進言し、フワワがエンキドゥに否定的な態度を取ると彼はフワワの首を切断してしまった。~
 ギルガメシュたちはエンリルのところへ行き、挑発的にフワワの首を捧げた。大いに怒ったエンリルは2人に呪いの言葉を吐き、エンキドゥを結局殺してしまったらしい。

 マリの行政文書には「フワワの首」(レーシュ・フビビ)という装飾品のことが述べられていることがあるが、これはおそらく、フワワの首が神々(の神殿)に捧げられたことと関連しているのだろう。「フンババの首」もまた、神殿の装飾として知られている。「退治された怪物→神殿の装飾」という流れは、『エヌマ・エリシュ』の[[../ティアマトの11の怪物]]にも見られるような一般的な流れである。~
 さらに、カトナ(Qatna)出土の宝石目録にも「フワワの顔」という記述があるらしい。魔除けか何かに使われたのだと思われる。
 マリの行政文書には「フワワの首」(レーシュ・フビビ)という装飾品のことが述べられていることがあるが、これは、フワワの首が神々(の神殿)に捧げられたことと関連しているのだろうとされている。「フンババの首」もまた、神殿の装飾として知られている。「退治された怪物→神殿の装飾」という流れは、『エヌマ・エリシュ』の[[../ティアマトの11の怪物]]にも見られるような一般的なプロセスである。~
 さらに、カトナ出土の宝石目録にも「フワワの顔」という記述があるらしい。魔除けか何かに使われたのだと思われる。
**関連項目 [#l43d0aa8]
-[[../フンババ]]

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参考資料 - [[資料/351]]:; [[資料/303]]: ; [[資料/225]]:

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