*ストムペ・ピルト [#d0b0489a]
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地域・文化:スウェーデン

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 おろかな巨人。昔、フイルケスタッズの近くのバールス山から少し離れた所に棲んでいた。&br; ある日、山羊使いの若者がこの丘に来て、山羊たちにそこの草を食べさせ始めた。ストムペ・ピルトが怒ったのは言うまでもない。彼は大きな火打ち石をつかんで、少年の前に現れた。そしてこういった。&br; 「ここまできたら、この石のように握りつぶすぞ!」&br; そして、巨人はその石をつかんだかと思うと、その石は粉々に砕け、砂のようになってしまった。しかし若者は動じなかった。その上、&br; 「お前もこうなるぞ!」&br; といって、搾りたてのチーズを取り出し、潰したのだ。愚かな巨人は若者の手から水が滴り落ちるのを見て、少々動じた。巨人は、若者に勝負を挑むことにした。勿論、実力では巨人のほうがはるかに強く、直接対決では若者には勝算はない。そこで、若者は考え、あることを思いついた。悪口を言い合うことである。若者は、巨人に&br; 「悪口を言い合っているうちに、だんだん腹が立ってきて、本気になるから」&br; と説明し、愚直な巨人はそれに従ってしまった。&br; さてまずは巨人の番。&br; 「お前なんか鼻のひん曲がったトロルにさらわれちまえ!」&br; 当然、動じる山羊使いではない。彼は&br; 「お前は悪魔にさらわれればいいんだ」&br; というと、矢をつがえて巨人に向かって発射した。巨人は勿論痛がり、&br; 「こいつはなんだ?」&br; と問いかけた。&br; 若者は悪口だ、という。&br; 「こいつにはなんで羽が生えているんだ?」&br; 「良く飛ぶようにするためさ」&br; 「じゃあ、なんでこう肉に刺さるんだ?」&br; 「お前の体に根を生やすためさ」&br; さて、更に若者が悪口を言おうとすると、巨人は&br; 「悪口でさえこんなに痛いのに、とっくみあいじゃどうなるかわかったもんじゃない」&br; と、岩穴に逃げ込んでしまい、若者は安心して山羊の放牧ができたとさ。
**関連項目 [#ndde496f]
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参考資料 - 


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