*コア [#i2735cda]
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地域・文化:ペルー・ケチュア

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 ケチュアでいう、代表的な悪霊のこと。~
 その姿は猫のような動物として考えられ、だいたい高さは40センチほど、長さは60センチほど。毛の色は灰色で、黒いしま模様がある。尾は30センチほどで直径は3センチくらい。頭は普通の猫より少しだけ大きい。目はらんらんと光っており、そこと耳から雹が降ってきている、という感じで描かれている。~
 コアはほかのどの精霊よりも活動的で恐れられ、そしてもっとも正確に関係ある存在である。その姿からもわかるように、この精霊は雹を降らせる。また雹以外にも農作地に霜をおろしたり稲妻を落としたりして穀物を駄目にしてしまう。カウリ地方に住んでいる人によればコアはアウサンガテ(南ペルーでもっとも高い山のうちの一つでカウリから数キロと離れていない)に住んでおり、雨季には人々の生産した農作物を奪うため準備をしている。そして収穫期になると霜を降らして穀物を奪い去ってしまう。~
 呪術師たちはコアと契約して仕えることを選ぶ。そうすればコアは彼らの農作物を決して傷つけることはないし、また病気を送ることもない。そのためこれらの家庭は裕福である。それに対してコアと契約していない人々は貧乏である。しかし彼らは呪術師と戦ってもいる。こういう悪い呪術師はパンパ・ミサホック(pampa misahoc)と呼ばれ、カウリ地方の人によれば雷に一度だけ打たれた人のことである。雷に三度打たれた人はパンパ・ミサホックよりも優れた呪術師でアルト・ミサヨク(alto misayoc)と呼ばれ、山の神々アウキと会話することができ、そうして予言を行なったり悪い呪術と戦ったりする。~
 コアの怒りは捧げ物によっていくらか鎮めることができる。典型的なものはワインと香料と金銀に光るもの、リャマの獣脂、カニーワ(ccañihua)、それとワイルロ(huairuro、熱帯産の種)をそろえたもので、これを高いところで焼く。呪術師はとくにこのような捧げ物に気を使わねばならず、もし間違った場合はコアに殺されてしまう。コアは呪術師に不適切な捧げ物をされたときも悪い状態になるが、ほかには洗礼されていない子供が死んだとき(これらの子供は[[ドゥエンデ>南欧/ドゥエンデ]]という悪霊になる)、人々が霜を除こうとしたときにもこのような状態になる。~
 コアが山の神アウキと独立して存在できているのか、それともアウキの命令に従っているのかはケチュアの伝承によって言うことが違う。さらにコアを無視してサンティアゴという両義的な神を据える人もいる。

**関連項目 [#c9debc68]
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-[[キーワード/猫]]
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参考資料 - [[資料/319]]:463-64; [[資料/10]], s.v.; [[資料/266]]:

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