ナスナース

Nasnās, Nisnas, Nesnas

地域・文化:アラビア;ペルシア


 またはニスナス。
 アル=カズウィーニー『被造物の驚異』など多くの書物に知られている怪物種。
 カズウィーニーによれば、ナスナースとは頭が半分、手も半分、脚も半分しかない種族であり、ちょうど人間が半分に分断されたような姿をしている。しかし彼らはその一本足で力強く跳躍し、とてもうまく走るという。
 このタイプのナスナースはフローベールが『聖アントワヌの誘惑』のなかに出しているし、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの『幻獣辞典』にも掲載されている。ボルヘスは『千夜一夜物語』を訳したエドワード・レインをひいて、他にも様々な形態の種類がいるとしている*1
 また、いわゆる野人タイプのものとして想像されることもあった。

 アル=カーシュガリー『テュルク諸語集成』では、ケイリク(käylik)というテュルク語にアラビア語の「ナスナース」が割り当てられている。カーシュガリーはあまり詳しい説明を与えていないが、『集成』に付された地図によると、ナスナースは砂漠・荒野に棲んでいることになっている。

関連項目


参考資料 - 資料/62:; 資料/189:; 資料/197:; 資料/547:232


*1 が、toroia思うに、これはカズウィーニーがナスナースの説明の続きに無名の怪物種族を列挙したのを混同しているのではないか? アラビア語原典が読めないからなんともいえないけど。

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Last-modified: 2015-12-12 (土) 03:22:51