ファラス・アル=マー

Faras al-mā'
فرس الماء

地域・文化:アラビア


 「水の馬」。
 別名:ファラス・アル=バフル(アラビア語)、アスブ=イ・アービー(ペルシア語)。
 本来はカバのことを意味する。

 アル=カズウィーニーの博物誌『創造物の驚異』や『マナーフィ=イ・ハヤヴァーン』といった動物学的な書物によれば、ファラス・アル=マーは馬の姿をしている水中の生物である。カズウィーニーは「言われているところによれば、この動物は陸上の馬に類似しているが、タテガミと尾だけ通常より大きい」と書いており、『マナーフィ』のほうも「顔と前頭部は馬のそれに類似している」とある。

 図像上では元の時代以降、中国の海馬あるいは飛馬のように、前脚の付け根から肩のほうへと吹流しのような帯が伸びているように描かれるようになった。中国美術がイスラーム絵画のモチーフに与えた影響のうちの一つである。

http://www.toroia.info/images/Farasalma_s.jpg
「アスブ=イ・アービー」。『マナーフィ=イ・ハヤワーン』写本より。イラン(マラーガ)、13世紀終わり。New York, The Pierpont Morgan Library, ms. M.500.
資料/485, pl. 48より。

関連項目


参考資料 - 資料/485:156


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Last-modified: 2008-09-13 (土) 05:10:21