ガルラ

Galla

地域・文化:シュメール


 ガッラ。
 アッカド語でガルルー。
 冥界の悪霊。人間を地下世界へ引きずり込む死神。また、ウドゥグのリストにもたびたび登場する。
 ガルラたちは、神話『イナンナの冥界下り』において、色々あって(ネティ、クルガルラの項目参照)代理人を探さなくてはならなくなったイナンナに付き添って地上へと現われる。彼らは槍や葦筆のように細く、棒を持ち、武器を腰から下げていた。彼らは水や食物を食べず(生命がない?)、人から妻を奪い取り、乳母から子供を奪い取る存在だとされた。
 イナンナが冥界から地上に戻ってきたとき、まず彼女の前に現われたのはニンシュブルだった。ガルラは彼女を連れて行こうとしたが、イナンナはニンシュブルが忠実な召使だとしてそれを拒否した。次にシャラ、ラタラクのところにも訪れたが、両者ともイナンナの冥界下りを嘆き悲しんでおり、イナンナは彼らを身代わりにするのを渋った。
 最後に彼女らが訪れたのはウルクのクラブ野原だったが、そこではなんとイナンナの夫であるドゥムジは嘆き悲しんでいるどころか彼女の王座に座り、衣服を飾り立てていた。彼女はぶちきれて言った、「さあ、お前たち、彼を連れて行きなさい!」。
 ドゥムジは冥界に連れて行かれてはかなわないと、なんとかして逃げようとしたが、彼らの執拗な追跡の前に最終的には捉えられ、エレシュキガルの前へと連れて行かれてしまった。
 おしまい。

関連項目


参考資料 - 資料/93:; 資料/271:


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 05:30:34