ネティ

Neti

地域・文化:シュメール


 エレシュキガルが支配する冥界の門番。
 神話『イナンナの冥界下り』において、女神イナンナはどういうわけか冥界に行ってみようと考え、自らのあらゆる神殿を放棄し、そのかわりに7つの「メ(神性)」を象徴する装飾を身に付けた。彼女は召使のニンシュブルに、もし自分が3日経っても戻ってこなければ、言われたとおりの事をするように、と伝言を残して冥界へと旅立った。
 冥界には門番ネティがいた。ネティは天上の女神イナンナがやって来たことに驚いて(天と冥界の境はいかなる神でも越えてはならないものだとされていた)、まずは冥界の女王エレシュキガルと相談することにした。この知らせを聞いたエレシュキガルは大いに怒り、冥界のおきてに従って彼女を迎え入れるようにネティに命令した。つまり、彼女を神としてではなく死者として扱うように命じたのである。というわけでネティは、イナンナに冥界の7つの門を通過させ、一つ通るごとに彼女の神性を意味する装飾品を取っていった。イナンナは抵抗したが、それは冥界の掟であり、逆らうことはできなかった。
 エレシュキガルの前についた時には、イナンナは素裸になっていた。
 エレシュキガルはイナンナに「死の目」を向けた。イナンナは死体となって倒れた。その死体は釘にかけられた。
 お話の続きはクルガルラの項目で。

関連項目


参考資料 - 資料/93:


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 05:30:42