Saiken
さいけん
地域・文化:中国
『捜神記』巻12によると、晋の恵帝の元康年間(291-299)、現・江蘇省の人の家で見つかった犬。
ある日、突然地中から犬の鳴き声がさかんに聞こえてきた。そこで声の発生源を調べてみると、ミミズの出口ほどの小さな穴が開いていた。そこに杖をさしてみると、数尺ほど入ったところに何かがある。掘り返してみると、まだ目の開いていない小犬のつがいがいた。しかし大きさは普通の犬より大きかった。土地の古老によれば、これは犀犬というもので、つかまえた人の家を繁栄させるのだという。家の人は、まだ目も開いていなかったので犬を穴のなかに戻し、石臼で蓋をしておいた。ところが翌日蓋をどけてみると、穴もないのに犬はいなくなっていた。家が繁栄することはなかったが、不幸なことも起こらなかった。
同様の話が東晋の時代にもあったが、育ててみたものの亡くなってしまった。育てた人はその後兵士に殺されてしまった。
『捜神記』は似たような存在として../地狼や../賈などを挙げている。
関連項目†
参考資料 - 資料/72:373-374