スレイプニル†
Sleipnir
地域・文化:北欧
ドイツ語読みだとスライプニル。
オーディンの乗っていた馬で、8本も足があり、その分(?)速く走れた。
この馬の出生には、次のような伝説がある。
昔、ある巨人が人間に化けてアースガルドに来てアースガルドの壁を冬の期間だけで完成したならば、フレイヤと日と月をもらうと言った。
神々と巨人の仲介役のロキは、まさか一冬ではできないだろうと承諾してしまった。しかし巨人は名馬スヴァジルファリを駆使し、次々と城壁を築き上げていく。これに困った神々は、ロキに責任を負わせ、何とかしろ、さもなくば殺すと脅した。困ったロキは、名案を考えた。自分が雌馬に化けてスヴァジルファリを誘惑すればいいというのだ。
果たして計画は成功した。怒り狂った巨人は化けの皮をはがしアースガルドを暴れ回ったが、戦争の神トールのニョルッミルによって打ち殺されてしまった。その時ロキから産まれたのが、スレイプニルである。
彼はとにかく足が速く、ある時オーディンは巨人族最強のフリングニルという巨人の館を訪ね、彼の乗馬と競走をした。フリングニルが自分の愛馬「金のたてがみ」の鞍に乗ったときには、スレイプニルはもうすでに遙か彼方の丘を走っていた。もちろん、フリングニルも負けてはいられない。彼らは19の川を越え、気がつくとアースガルドの城壁にまでたどり着いていた。
また、オーディンとフリッグの息子バルドルが殺されたときのこと。オーディンは、自分の息子ヘルモードをスレイプニルに乗せ、地獄まで送り込んだ。この時、スレイプニルは一度も休まなかったといい、地獄の番犬ガルムも彼らを見過ごした。
ラグナレクの時には、オーディンを乗せて戦場へ赴く。
関連項目†
参考資料 -