地域・文化:日本・愛知
男川村の八ッ幡付近に、季節を問わず出没する火。雲が垂れ込め糸のような雨の降る夜半に、青白い一団の火が、3,4尺ほどの高さで、ときには高く、ときには低く現れ、点滅し、動かないこともあれば矢のごとく動き回ることもある。 これは、むかし「おたよ」という老母があり、夫に先立たれ子供もなく孤独な生活を送っていた。おたよはケチだったが、老いて仕方なく田畑を売り、糊口をしのいでいたが、死に際して唯一の自らのものである八ッ幡の田が他人の手に渡ることを嘆き、「八ッ幡、八ッ幡」と呼びつつ執念を残したまま亡くなった。その後、火が現れるようになった。
参考資料 - 資料/901:527