笠置山大僧正

Kasagisan-Daisoujou

地域・文化:日本・京都


 行基の師匠である道昭が魔界に堕ちてなった大天狗。
 道昭大僧正は、日本人のなかで唯一玄奘三蔵の直弟子となった僧侶である。彼には役行者と対話したとか、幼い泰澄の神威を見抜いたなどの逸話が残っている。700年に死んだときには火の玉が体から抜け出たといわれる。遺骸は遺言によって日本で初めて火葬にふされ、火が燃え尽きた途端に風が吹いて遺骨も灰も飛び去って何もなくなってしまった。人々はこれを尸解だと言った。
 笠置山は東大寺初代の良弁上人が開基したが、それから長らく修験集団の道場であった。解脱上人はここに伽藍を建立した。その解脱上人が伽藍を建立する前、夜中に庵室にこもっていたとき、数多くの幽鬼がまわりで哀訴している。戸を開いてみると、ひときわ気品高い老僧侶の姿をしたものが代表して、自分たちは出家したが、知識を誇り名声を求め仏道をおろそかにしたため、死後魔界に堕ちて天狗になってしまった、永劫に苦しみを受ける身になったので願わくば成仏させていただきたいと言った。その苦しみ~三毒の苦しみとは、日に三度熱せられた鉄を飲まされるというもので、飲み込むと喉が焼けて息が絶えるが、しばらくしてまた生き返り、それを繰り返さないといけない。老僧が哀願している間にも刹鬼が現れて鉄を飲み込ませたという。それでこの老僧は道昭に違いないと言われた。

関連項目


参考資料 - 資料/139:


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 05:24:47