野槌

Nozuchi

地域・文化:日本・全国


 非常に面倒な存在である。

(1) 大地の女神様。『日本書紀』に初出。

(2) マムシ、サソリの類。『新撰字鏡』(898-901ca)では蠍という文字の読みがノヅチになっている。

(3) 蛇の一種。ツチノコ
 『和漢三才図会』「竜蛇部」には「野槌蛇」として掲載され、中国の合木蛇(千歳蝮)のことかとある。吉野山中の菜摘川(夏実川)、清明の滝のあたりの深山の木の穴の中におり、大きいもので直径5寸、体長3尺ほど。頭から尾に至るまで太さが同じなので、柄のない槌のように見えるという。大きな口で人の脚に噛み付き、坂道の下りを勢いよく追いかけるが、登りは極めて遅いので高いところに逃げれば追ってこない。
 『俚言集覧』(1797ca)には「野槌。信濃黒姫妙光山中に野槌蛇がいて、体長は三尺ほど、もっと大きいものもあり、芋虫ようにころころしているものと言う」とある。

(4) 妖怪。石燕の絵にあるもの。『本朝文粋』(1060ca)では「有異体者、名号為最明、野槌誰得辨、蝦蟇尤耐驚」とあり、『沙石集』(1283)では「野槌と云は、常にもなき獣なり、深山の中に希にありと云へり。形大にして、目鼻手足もなくして、只、口ばかりある物の、人をとりて食ふと云へり」とある。

関連項目


参考資料 - 資料/222:


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 05:42:28