ストリゴイイ†
Strigoii
地域・文化:ルーマニア
ストリゴイ。
吸血鬼のこと。女のストリゴイイはストリゴイカという。
ストリゴイは吸血鬼ではあるが、単に生者の血を吸うだけではなく、魔術師と同様に人々に呪いをかけるものだともされた。例えば、ストリゴイも魔術師も人々にポセアラ(魔法で醜くすること)の呪いをかけるときにはナイフを使う。吸血鬼に深手を負わせる唯一の武器は半月鎌である。また、初期のストリゴイのおもな仕事の中には、マンという天からの授かり物(聖書のマナが語源だと思われるが、ルーマニアでは牛乳や小麦などが天からの授かり物だとされていた)を盗むことも入っていた。
猫(民間信仰の中では地獄の使者だともされる)が死者の体の上を通りすぎると、それはストリゴイになるという。また、同様に犬も地獄の使者だとされ、犬が死体の上を通るとその死体はストリゴイになる。逆に雄鶏はルーマニアにおいては太陽の使者であり、その鳴き声によって吸血鬼を追い払うことができる。ニワトリを供犠にすると死者をストリゴイに変えることができる。
聖アンデレの夜(聖アンデレ使徒祝日11月30日前夜、吸血鬼や亡霊たちが集まるとされる時)に、ストリゴイたちはエカングという亜麻や麻の茎を打ち砕く道具と戦うらしい。
関連項目†
参考資料 - 資料/174:; 資料/203: