シェプフェン

Schepfen, Schephen

地域・文化:ドイツ


 中高ドイツ語における運命の女神たちのこと。ラテン語のパルカ(運命の女神)に、訳語として用いられた。
 シェプフェンは3人組の女性たちで、人々の幸運は彼女たちによって定められる。13世紀中ごろの中世騎士恋愛詩人コンラート・マルナーによればシェプフェンのうち2人が人生の1本の綱を編み上げる。しかし3人目がその綱を引きちぎってしまう。それがすぐに死につながることはないが、災いは起きる。
 オトカルの書いたオーストリア年代記(14世紀初頭)では、シェプフェンが人間に幸運と誉れを与えるのは、神がそれを認めたからできるのである、としている。

 時代が下るとシェプフェンは../ガーハシェプフェン(15世紀初頭)や../ゲシェプフェン(15世紀中ごろ)として知られるようになったが、15世紀中ごろを最後にその信仰は途絶えてしまった。15世紀末には、もはやガーハシェプフェンの意味が理解できなくなっており、この言葉が現れる部分は削られてしまったのである。ガーハシェプフェンにしてもゲシェプフェンにしても、運命が人生を決定付けるという観念が「不信仰」「邪宗教」として退けられている文章の中に現れるだけとなった。

関連項目


参考資料 - 資料/188:


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Last-modified: 2010-06-28 (月) 05:39:31